男性同志で踊られてきた歴史
踊りも多くの要素がミックスされて完成をしてきました。
その踊りの中心は牛飼いのガウチョ達です。
黒人のガウチョはカンドンベ(アフリカン音楽)やハバネラ(キューバ)のリズムを使って踊りヨーロッパのガウチョ達はポルカ(ワルツ)やマズルカ(ポーランド)のリズムで踊りました。
またガウチョ仲間のパジャドーラの演奏や歌に合わせ男同志でも踊りありました。
ガウチョ達は田舎に仕事がなくなってくるとブエノスアイレスに集まってきました。
そのガウチョ達をコンパリードやパテトロ(集団)と呼びました。
彼らは仕事柄ナイフ(肉を捌く)を常時持ち歩いていたそうです。
目的は喧嘩ではなく、主に身を守る為。
都会には同じような境遇の人たちが大勢いて生活は窮困を瀕してましたので、ちょっとしたいざこざも日常茶飯事、そして夕暮れになると酒場では強い酒を煽り、時には娼婦小屋などに遊びに行くような生活。
娼婦小屋では 生演奏で娼婦と憂さ晴らし踊りました。
高級な娼婦小屋にはピアノがあり、Manuel Campoamor(La Luna de cara などを作ったタンゴ初期)などピアノの名手が弾くお店も。
特に「MARIA LA VASCA」は有名でした。
ちょうどその頃 川沿いに住む下町の人達をオリジェーロと称しました。
オロジェーロ達は男女で組み、様々な音楽で踊っていたそうです。
1910年頃 最初のタンゴのダンス教室が作られました。
教室をひらいたのはJosé Ovidio Banquet,(ホセ・オビディオ・ビアンケ)通称El Cachafaz(エル カチャファス)伝説のダンサーです。
このようにアルゼンチンでは下流層が踊るダンスとしてみなされていたタンゴは1910年代初めに踊りがヨーロッパ(パリ)に渡り流行しました。
当時のダンスは、向かい合わずに腕を組んで踊られており、男女が向かい合い組んで踊るダンスが受け入れられもてはやされ、それはカトリック教会が禁止令を出すほど。
このパリでのタンゴ狂いが、発祥の地アルゼンチンに伝えられ、下層階級のダンス扱われていたタンゴが日の目をみるようになりました。
タンゴダンス、スタイルの種類
日本では「タンゴ」というと「コンチネンタルタンゴ」と「アルゼンチンタンゴ」に分かれます。
コンチネンタルタンゴとは、1920年代にアルゼンチンタンゴをヨーロッパ風にアレンジし変化した踊りです。
アルゼンチンタンゴが素となってますが今は違ったダンスと捉えられています。
アルゼンチンタンゴの中でも現地ブエノスアイレスではいろいろな踊り方がなされてます。
特にYoutubeでみられるのはショータンゴ(タンゴエセナリオ)のスタイルですが、他にも様々なタンゴスタイルが存在します。
タンゴサロン
サロンで踊られる優雅なスタイルの総称。
踊るラインを大切にする。
(ミロンゲーロスタイル、ビジャウルキッサ)など
ミロンゲーロ
ブエノスアイレス中心街のミロンガで踊られるスタイルで、
コンパクトにリズムカルに「踊るスタイル。
オリジェーロ
ブエノスアイレスの下町で生まれたタンゴの原型スタイル。
派手な飾りや遊び足が多数存在するスタイル。
ビジャウルキッサ
ウルキッサ地区のスタイル。ラインを大切にする優雅なスタイルで
最近はタンゴサロンというとこのスタイルを指す。
タンゴ・ファンタジア
タンゴサロンをより装飾的にしミロンガのデモなどで使われる。
ポーズ、ガンチョ、ハイボレオなど使うスタイル。
タンゴ・エセナリオ
エセナリオ(ステージ)の為のタンゴ。
バレエのテクニックなども使い、様々なスタイルタンゴがミックスされた
より創作的なダンス。
カンジェンゲ
1920年代〜30年代に踊られたタンゴで、
当時のドレス(ロングでタイトのスカート)などの
影響があるスタイルで、男女V字に組み踊るスタイル。
タンゴヌエボ(タンゴモデルノ)
タンゴ踊るテクニックの新しいアプローチがあるタンゴ。
ボルガーダ、コルガーダ、リキッド、スピンなど。
音楽も古典タンゴなどでも踊られるが、エレクトリックタンゴやタンゴではない音楽などでも踊られる。
タンゴ音楽と種類
現在、ミロンガ(タンゴサロン)では3種類の音楽がかかって踊られます。
- タンゴ:4拍子
- ミロンガ:2拍子(タンゴの原型になった音楽)
- ワルツ:3拍子
それぞれ踊り方が違いますが、ステップなどは共通するものもあります。
音の取り方がわかってくると楽しさが生まれてきます。