[No.55] キロンボ!
キロンボ
2週間の冬休みが終わり、大学も始まりました。
久しぶりに行ったミロンガでは、キロンボがたくさん。
キロンボとは、ポルテーニョ(ブエノスっ子)が、よく使う言葉で、キログラム、キロメートルなどのキロと同じ意味で、たくさんという意味がありますが、ミロンガでは、主に場にそぐわない踊りをしている人が他の人に迷惑をかけることを意味します。
8月に入りミロンガでは、ブエノスアイレス市主催のタンゴフェスティバルと世界大会が近くなってきたせいで、海外からのお客さんが増えています。
なのでこの時期は、”キロンボ”も増えるのです。
”キロンボ”とは
ではどういう人がそう呼ばれてしまうのか、具体的にご説明します。
例えば、私が通っているミロンガ、日曜日の「エル ベソ」は、フロアー面積がさほど広くありません。(ブエノスアイレスにしてはということで、それでも100人くらいは入ります。)
多くの人は、ミロンゲーロスタイル(深いアブラッソ)で、コンパクトに踊っていますが、中には女性を離し気味にして大きく踊る人がいます。
すると踊るスペースをたくさん取るため、まわりの人が踊りにくくなります。
さらに前後に動きながらステップされると、フロアーが混雑していても、接触を避けるために近づきたくありません。
このような人は、キロンボ!また、タンゴを始めてまだ日が浅い方なのか、前が詰まっているのにドンドン突進してくる人、悪気は無いのでしょうが、こういう人もキロンボ!
ミロンガで楽しく踊るためのポイント
そこで、ブエノスアイレスのミロンガで楽しく踊るためのポイントをお教えしましょう。
ポイントは、2点です。
1.回るく踊る
1つは、回るく踊ること。
これは、箱の中に積み木(角張った)を入れて、箱を振ると、積み木が激しくぶつかるのに、ビー玉のような丸いものを入れると、それほど激しくぶつからないのと同じです。
(まあ箱の振り方にもよりますが・・・)具体的には、皆さんよくご存知と思いますサリーダのステップもまわるく踊ると場所を取らないし、ミロンガの中で使えるステップに変身するのです。
2.その場で踊る
もう1つのポイントは、「その場で踊れる」ということです。
パートナーの女性と自分の立っているスペースで踊れるようにすることです。
これは、少しハードルが高いとお思いになるかもしれませんが、意外と簡単です。その場を移動せずにできるステップを覚えればよいのです。
以前フィグーラについてご説明しましたが、通常のフィグーラとよばれるステップは、サリーダ(出発部分)、ステップ本体、そしてレソリューション(解決部分)という3つの要素が含まれていて、動作の数も多いです。
フィグーラとしてのサリーダには8つの動作が含まれています。
それがすべて移動の動作なので場所を取ってしまうのは、当然です。
そこで、3つくらいの動作からなる移動しない(移動が少ない)ステップを覚えれば、その場で踊れるようになります。
皆さんも是非この2つのポイントをクリアーして、ミロンガで楽しく踊れるようになって頂きたいと思います。
2017年8月7日 ブエノスより
追伸
次回号では、フェスティバルの様子や世界大会の経過などについてご報告したいと思います。