ブエノスアイレス・ニュース No.88
2018年12月23日
2018年も残すところ、あとわずかとなりました。今年も、私の勝手な内容、拙い文章にお付き合い頂きまして、誠にありがとうございました。今年最後のニュースとして何を書こうかと思案しましたが、この話題(タイトル)にすることにします。
”南米のパリ”と称されるブエノスアイレスですが、パリと同様街の景観があまり変化しない(パリのように規制しているわけではないので新しいビルは立っていますが、ランドマークとなるような古い建物が、残っている)のですが、気がつくと私の住んでいるボエド地区は、今年かなり変わって来ています。
12年前にここに移ってきた時は、ブエノスアイレスでも下町のボエドには、高い建物が少なく昔のブエノスアイレスを感じさせる雰囲気が、残っていました。私の自宅は、アベニーダ・ボエドと呼ばれる幅の広い道沿いにあります。アベニーダとは、一般的に3車線以上の幅の道路を言います(もっと狭いのは、カジェと言います)。アベニーダ沿いには、街灯が設置されていて、夜でも比較的明るいため、住む所を探す際に、防犯のことを考えて決めました。特に、タンゴ関係者は、夜中に出入りすることが多いので、強盗に気をつけるといったことからです。
さて話をもとに戻しますと、私の家から1ブロック(約100メートル)先でアベニーダ・ボエドと交差する道として、アベニーダ・カセロスという道があります。この道沿いには、タンゴ(ミロンガ)の曲名として有名な、”パルケ・パトリシオス(パトリシオ公園)”もあり、景観の美しい道のひとつです。しかし、この道路沿いを中心に最近オフィスビルが建設されているのです。既にできあがった近代的なビルもいくつか立ち並び、以前は見られなかったホワイトカラーの人々が、多く見受けられるようになりました。オフィスビルができるとその回りにレストランやテイクアウト専門のお惣菜屋さんができ、お昼時には、ビルからランチを買い求める人が溢れ出てきて、お店を賑わせます。このような光景になっているとは、今年に入るまで気がつきませんでした。
まで気がつきませんでした。まあ、工場ができたわけではないので、生活に弊害があるということではありませんが、”古きよき面影”が消えていくことは、少し寂しさを感じます。2019年に入るとこうした変化は、速度を増し、ボエド地区は、新しいビジネス街になってしまうのかも知れません。でも、”バリオ・デ・タンゴ”と呼ばれるくらい、タンゴと縁の深いこの地区の良さが少しでも残ってくれたらと思います。
ブエノスより
追伸
2019年、皆様がよい年をお迎えくださいますよう、お祈り申し上げます。