新年明けましておめでとうございます。
今年もブエノスアイレス・ニュース共々よろしくお願いします。
今回のブエノスアイレス・ニュースは、テーマを1つに決めずお話しようと思います。
まずは、我が家の年越しについてですが、お料理は、鮭にぎり鮨、野菜の天ぷら、そして年越しそばにしました。
今回は、和食にしてみました。
こちらブエノスでもお鮨は人気の食べ物ですが、ネタは、サーモン(チリ産)がほとんどです。
少々値が張りますが、年末ということで奮発しました。
野菜(玉ねぎ、人参、茄子)は、農業国なので安くておいしいものが手に入ります。
また、天ぷらの衣に使う小麦粉も輸出するほどの生産量ですので、上質のものが安価に販売されています。
おそばは、日本食材を売っているお店で手に入りますが、とても高いです。
今回は、日本からお泊まりに来ていただいた方に差し入れしていただきました。
脂ののった上質なサーモンが購入出来たので、おいしいお鮨ができました!
新年を祝う花火も例年どおり盛大に上がっていました。
さて、ここからはタンゴの話題に変えます。
1850年頃からブエノスで発達してきた踊りとしてのタンゴは、タンゴネグロといわれる黒人労働者によって受け継がれてきたもの、それが現在ではタンゴミロンゲーロとして浸透しています。
また、一方では、ヨーロッパからの中流階級の移民によってもたらされたもの、それがタンゴクリオージョとして発達し、現在ではタンゴサロンという踊りのなかに生きています。
そしてその両方が相交わることなく2016年まで踊られてきました。
ミロンゲーロスタイルで踊る人が多く集まるミロンガ、そして、サロンスタイルで踊る人が集まるミロンガ、それは、ブエノスの中でははっきりと分かれています。
2017年に何か劇的な変化が現れそうかというと、その兆候は未だ確認できません。
160年余りの歴史にまた1年、年輪が刻まれるだけなのでしょうか?
それとも、両者の融合した姿の一部分でも垣間見ることができるのでしょうか?
一方、世界選手権を代表とするコンクールでは、技術レベルの向上がここ数年目覚ましいことは、顕著ですが、それによって見ている人を疲れさせるような踊りがでてきていることも否定できません。
タンゴという音楽を表現するという踊りは、その居場所が少なくなっているような気がします。
今年は、それに拍車がかかるのでしょうか?それとも…
私事ですが、1月1日元旦の夜が、たまたま日曜日だったということで、行きつけのミロンガ、エルベッソに行って初踊りを楽しんできました。
そこには、ミロンゲーロ達が多く顔を見せていました。
彼らの踊りは、年が変わってもいつもどおり変わりません。
でも、そういうミロンゲーロの数が、年々減っているのは、間違いないように思います。
そして、日本を含めた海外のタンゴ人口は、毎年すごい勢いで増加しているように思えます。
するとブエノスのタンゴが世界に占める割合は、年々減少していることは否定できないと思います。(なんだか年初から暗い雰囲気になってきてしまいました、すみません)
何事においても同様ですが、古き良き時代は、忘れ去られていく運命なのでしょうか?
私個人としては、タンゴにおいては、そういった時代がなるべく長く続いて欲しいものだと願っています。
2017年タンゴ界には例年どおり様々なことが起こると思います。
良いことも、悪いことも。でもラプラタ川の流れの様に常に変わらず、とうとうと流れていって欲しいものだと思います。
今年もインターミロンガ、メトロポリターノ、世界選手権等々数々のコンクールにおいて素晴らしいチャンピオンが生まれることと思います。
そのチャンピオン達に是非「古き良き時代」を受け継ぎ継承していっていただきたいものです。
年初にこのようなことを考えています。
ブエノスより