群馬県人会!

群馬県人会!

ブエノスアイレス・ニュース No.73     2018年5月6日

 

去る4月30日、ブエノスアイレス近郊は、とても強い勢力の嵐にみまわれました。その雨量の多さに路上排水が間に合わず地上階の家屋が浸水する事態となりました。幸いなことに我が家は、1階(日本では2階にあたります)なので、水の被害は、雨漏り程度で済みました。安否をについてご心配をお掛けした方々には、御礼とお詫びを申し上げます。

さて、今回の話は、災害の前日(4月29日)に遡ります。この日も雨でした。正午よりブエノスアイレス市内のレストランで群馬県出身者の集まりに参加させていただきました。以前、神奈川県人会について書かせていただいたことがありますが、息子が神奈川県横浜市の生まれで、私達の本籍が今だに神奈川県にあるので、参加させていただいておりますが、私自身の出身は、群馬県前橋市ということで、今回は群馬県人会に参加させていただきました。この県人会には、前々からお仲間に加えて頂きたかったのですが、会長はじめ、既にメンバーの方々がご高齢ということもあって活動を休止した状況でした。ですが、今回めでたく再開する運びとなったわけです。その影には、現在の在アルゼンチン日本大使館領事が、群馬県出身(私の高校の先輩)で、陰ながら尽力されたという事実があります。最高齢参加者は85歳の女性ですが、まだまだしっかりとした口調、足取りでした。移民の方々は、花園や果樹園の経営者が多いのですが、体を動かしてしっかり働いていたことが、健康につながっていらっしゃる様でした。

会合の中のお話は、最近の出来事、そして、今回初参加の私のために、皆さんが移住して来られた頃のお話、そして、食べ物のお話など多岐に渡りました。その中で、目(耳)を引いたのは、チリ産のサーモンの多くが現在養殖になっていて、餌に抗生物質などが混入されているので、危険であるということでした。私のような庶民的生活者には、高くてそうそう食べられるものではありませんが、消費が増えた上の弊害ということだと思います。また、昔、移住者の方が、りんごの品種として日本で有名な「ふじ」を持ち込んだのですが、成功しなかったそうです。別に栽培に失敗したわけではなく、ふじの色が問題だったそうです。アルゼンチン人は、真っ赤な色のりんごを好み、それがおいしさのバロメーターになっていたようで、色の薄いふじは、おいしそうに見えなかったようです。色といえば、ブエノスアイレスのいちごは、総じて酸っぱいのですが、これは、生産地で、まだ青いうちに収穫してブエノスに来る頃赤くなるからだそうです。茎についたまま熟すのとは味がかなり違うそうです。

このようなお話を聞きながら、ふと思ったことは、参加者のほとんどの方が日本語で話されているということでした。神奈川県人会では、既に世代交代が行われ、2世、3世の日系人が主体となっているため、会話はスペイン語が中心ですが、日系1世の方が中心の群馬県人会は、日本語なのです。そこで、これからの群馬県人会は、世代交代という大きな波が待っていることを認識しました。この波をなるべく緩やかにするために、私のようなタイミングのズレた移民が、少しでもお役に立てればと思っています。具体的には、やはり2世、3世の方々で日本語が堪能な方は少なく、日系人としての認識も低くなっているのが現状です。日本語を第2の母国語として愛して、日系人であることの自覚を促す助けができればと考えています。

そして、うれしいことに今後年2回の会合を開くことを決めて会はお開きとなりました。私にできることは何かを考えて次の会合(9月)に臨みたいと思います。ブエノスより